仕事と人を知る
INTERVIEW
次世代のコンクリートを夢見て、
調査・実験・分析を繰り返す日々。
理工学研究科
建築学専攻卒
2018年入社
坂本 遼
入社理由について教えてください
高い技術力と、新材料への熱意にあふれていたから。
学生時代は建築に関する幅広い分野を学び、最も興味があったコンクリートの研究を行っている建築材料研究室に入りました。大学院でも引き続き産学共同研究に打ち込み、将来はゼネコンなど新技術の最前線で、建築材料の研究がしたいと考えるようになったんです。
三井住友建設は、土木と建築の両分野において高い技術力を備えている点が魅力的でした。実際にR&Dセンターを見学させてもらったときに、そのことを実感。決め手になったのは、今の上司との面談でした。「こんな材料を実用化することが夢なんです」と、新材料の研究について熱心に語る姿に心を動かされたんです。私も一緒にその夢を追いかけたいと強く思い、入社することに決めました。
現在、どんな仕事を担当していますか?
「サスティンクリート」を中心とした基礎研究
R&Dセンターには、将来の技術を研究する基礎研究のグループから、開発した技術を実用化展開するグループまであり、私は基礎研究のグループに所属しています。基礎研究は将来の企業競争力の源泉。非常に重要であると考えており、日々やりがいを感じながら取り組んでいます。当社独自のコンクリートである「サスティンクリート」を中心に、建設材料に関するテーマに取り組んでいます。
研究開発の流れは次の通りです。まず、特許や論文、社会の動向からニーズまで、様々な情報を調査します。そこから、未来に必要となり得る技術を考えたり、現在直面している技術的課題をクリアするためのヒントを探ったりします。次に研究開発の方向性を固めるわけですが、ここでアイデア段階での特許出願を行うこともあります。その後、実験計画を立て、協力会社の方と一緒に安全第一で実験業務を行います。それからデータを整理し、有用な結果を見逃さないよう、試行錯誤を何度も繰り返します。新規性や進歩性があると判断したら特許出願や論文執筆を行います。いわゆる強い特許の出願や、開発した技術の実用化をモチベーションに頑張っています。
どんなことにやりがいを感じていますか?
唯一無二の技術に携われていること
昨今はSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)が重視され、当社も注力しています。なかでも「サスティンクリート」は、低炭素・高耐久・長寿命・を特長とした社会全体の持続可能性に貢献する唯一無二のコンクリート。そんな大きな可能性を秘めた材料に携われることに大きなやりがいを感じています。
研究開発において、際立った成果が得られる機会はあまり多くありません。それだけに、成果が出たときは本当にうれしいです。徳島県の別埜谷橋(世界初となる非鉄製プレキャストPC橋)に私が開発に携わった材料が初めて実用化されました。開発した材料は、非常に高い強度と耐久性を持つモルタルで、橋梁の一部に使われています。実際に施工現場へ行き、自分の目で確認したときは感無量でした。
思い出深い出来事は?
コンクリートに関する論文で受賞したこと
自分の研究が身を結んだ経験はもうひとつあります。日本コンクリート工学会の「年次論文奨励賞」を2021年に受賞したことです。先ほどお話しました、開発したモルタルの研究結果と施工内容を論文にまとめました。当社の研究開発力をアピールしていく格好の機会ということで、上司からの期待は大きく、私としても何らかの成果を残しておきたい気持ちでした。受賞の知らせが届いたときは、本当にうれしく、達成感でいっぱいでした。この成果を今後社外に向けてアピールしていく予定です。この材料の知名度が高まり、実用化の弾みにできたらと考えています。
三井住友建設で働いていて良かったことは?
学びの多い刺激的な研究環境
大きく2つの点から、当社の研究環境には満足しています。ひとつは、分野横断的な組織編成です。音や風が専門の研究者、AIやシミュレーションが得意な研究者といった具合に、多様なメンバーが同じグループにいるのですごく刺激的です。私は今、コンクリートと土質の垣根を越えて業務を行っているのですが、こんなことは入社前には想像もできませんでした。自分の得意領域を広げていける研究環境は、とても魅力的です。
もうひとつは、海外出身の博士号を取得した優秀な方がたくさん在籍していること。様々な考え方に触れ、多くのことを学ぶ機会があり、日々刺激を受けながら業務を行っています。この恵まれた環境で、今後もコンクリート系材料を中心に研究開発を続け、当たり前のように世の中で使われる技術をつくりたいと考えています。
1 Day Schedule
ある1日のスケジュール
- 8:15
- 出社、メール確認、実験準備、朝礼
- 9:00
- 実験業務
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 昼礼、午後や翌日の作業内容確認
- 13:30
- 実験データの整理
- 15:30
- ミーティング
- 17:00
- 特許調査・論文調査
- 18:00
- 退社
Private
オフの過ごし方
小学生から高校生までは野球に打ち込んでいたので、草野球や野球観戦が趣味です。大好きな横浜DeNAベイスターズの試合を応援しに行ったり、高校野球部のメンバーで草野球を楽しんだりしています。一級建築士の資格取得を目標として勉強に励み、2022年に合格することができました。