仕事と人を知る

INTERVIEW

機械学科から土木の世界へ。
一品生産のおもしろさを実感。

システム理工学部
機械制御システム学科卒
2019年入社
西貝 拓哉

入社理由について教えてください

機械系でも活躍できる研修体制

機械系出身者の就職先といえばメーカー。そんな先入観が覆されたのは、ゼネコンで働く学科OBの話を聞いた大学3年生後期でした。つくるのは、大量生産品ではなく一品もの。しかも、地図に載るくらいの圧倒的なスケール感。これほどユニークな建設業の仕事に、まさか機械の知識を活かせるなんて。思ってもみなかった話を聞き、一気に惹き込まれました。
その後、ゼネコン各社のインターンに参加。さまざまな現場を見学するなかで、一番面白そうだと感じたのが橋梁でした。自然と、橋梁のリーディングカンパニーである三井住友建設に興味を持ちました。
当時、やりたいことに出会えてワクワクする一方で、ベースとなる土木・建築の知識はゼロ。本当にやっていけるか不安でした。その点、三井住友建設は入社後の研修期間が半年と長く、業界の中でもかなり手厚い。大きな安心材料を得た私はこの会社しかないと思い、入社することに決めました。

実際の研修体制はいかがでしたか?

基礎から応用まで学べて、自信が持てました

入社してまず、座学の集合研修で土木の基礎を学びました。これがとても役に立ったのを実感したのは、その後の現場研修や実技合宿のときでした。はじめに学んだ机上の知識を、実際の現場とリンクさせることができたんです。この研修のおかげで不安が払拭されました。そのうえ、10月の本配属後も約4ヶ月にわたって、より実務に即した機電職の研修を受講。玉掛や電気取扱の技能講習も受けました。こうして1年目の2月、準備万端の状態で設計の実務に臨むことができました。
設計業務においては、アーカイブされているさまざまな過去事例のデータを参照すれば、自力で解決する手助けになります。それでも不明点、疑問点が出てきたときは、上司が丁寧にフォローしてくれるので、途方に暮れるような場面はありません。また、現場出張の機会を活かし、作業員の方と直接会話しながら施工面について学ぶこともできます。設計者としての引き出しを増やす手段がいくつもあるので、スキルアップしやすい環境だと思います。

現在、どんな仕事を担当していますか?

橋梁をつくる建設機械「ワーゲン」の設計

橋梁の工事は、大きく2つに分かれます。ひとつは、垂直方向に橋脚を立ち上げていく下部工工事。もうひとつは、水平方向に橋げたを延ばしていく上部工工事です。後者においては、橋脚を軸にして左右対照に腕を伸ばしていくことでバランスを取る「やじろべえ工法」、すなわち片持張出架設施工が一般的です。
私は、この張出架設施工において欠かせない「ワーゲン」という建設機械の設計を担当しています。ワーゲンは工事中の橋げた先端部に設置され、施工足場や型枠を支持する梁などをつり下げることで、配筋やコンクリート打設といった作業をサポートします。
これまで6現場のワーゲンを設計してきました。はじめは標準的なものを担当し、だんだんと改造が必要になる特殊なものを担当するように。最近では、現場で適切に使用されるよう設計意図を伝えたり、作業に支障が出ないようトラブル対処したりなど、現場支援の仕事も増えています。

やりがいを感じる瞬間は?

一品生産の難しさを乗り越えたとき

現場ごとに条件が異なる「一品生産」にやりがいを感じています。たとえ似ている条件の現場があったとしても、全く同じケースはひとつとして存在しません。橋梁自体が一品モノであり、その橋梁をつくるためのワーゲンにも毎回、工夫が必要になります。担当者ごとの裁量で設計できる点が、非常におもしろいところです。
思い出深いのは、山形県にある朝日川橋の新設プロジェクト。新しい技術を初実装する現場だったため、特殊なワーゲンが求められました。標準的なワーゲンであれば、工事で起こりうるトラブルを先読みし回避できます。一方、このときは前例がなかったので、現場で直接、作業員さんの意見をうかがうことに。すると、「このままじゃ作業しづらい」という指摘が挙がってきました。これを受け、再度計算し直し、翌日すぐに改善策を提案。現場で会話を重ねてすり合わせることで、最終的に作業性に優れたワーゲンをつくることができました。

今後の目標について教えてください

あらゆる橋梁工事に対応できる機電設計者へ

機械系の社員は、建築・土木系の社員に比べるとやはり少数派です。自然と任される範囲が大きくなり、それがやりがいにつながっています。その反面、必要となる知識も多岐にわたり、現場でどうしようか判断しかねる場面が少なくありません。もっと迅速に的確な判断が下せるよう、知見を広げていきたいと考えています。
また、現在は橋梁上部工の中でも張出架設という新設工事の経験しかありません。架替・更新工事のニーズは今後ますます高まっていくので、ガーダー架設や床版取替などさまざまな工法を習得することが私の目標です。あらゆる案件において、ひとりで設計や現場支援ができる技術者になれるよう、学び続けようと思います。

1 Day Schedule

9:00
出社、メール確認
9:30
橋梁設計部門との打合せおよび資料作成
11:00
ワーゲン設計図書について上司からフィードバック
12:00
昼食
13:00
部内定例打合せ
14:00
ワーゲンの構造計算・設計図面の作成
17:00
部材製作指示書の作成、翌日業務打合せ
19:00
退社

Private

学生時代からの趣味であるサッカー観戦に行くことが、週末の楽しみです。機電部は現場出張が多いので、滞在中の休日には近隣エリアを散策しリフレッシュしています。