仕事と人を知る

INTERVIEW

学びが尽きなければ、
成長する喜びも尽きない。

融合理工学府
創成工学専攻卒
2020年入社
滝澤 光

入社理由について教えてください

住宅の構造設計がやりたくて

建物の安全性を担う構造設計に興味を持ち、より専門性を磨くため大学院へ進学。ゼネコン出身の教授のもと、本格的に建築構造について学びました。その教授からの影響もあり、構造設計を行うにあたっては、実際に建物がどのように建てられていくかという施工に対する理解も重要であると考えるようになりました。そのため就職活動では、設計施工を総合的に経験できるゼネコンを志望しました。
ひと口にゼネコンといっても、得意とする建築用途は会社によってさまざまです。そのなかでも私は住宅に興味があり、人の住まいを創造する仕事に憧れを持っていました。三井住友建設は高層マンションの実績が豊富で、挑戦しがいのある仕事に携われると思い入社しました。

現在、どんな仕事を担当していますか?

高層マンションの構造設計

高層マンションにおいて一般的な、鉄筋コンクリートラーメン構造をメインに構造設計を担当しています。仕事の流れとしては、まず関係部署と設計条件やコンセプトなどをすり合わせることからスタートします。次に解析プログラムを作成し、構造解析を実施。構造解析では柱や梁、その接合部をプログラムでモデル化し、地震力を加えたときにどんな応力が生じるかを調べます。これによってどの部分に応力や変形が集中するかを明らかにし、必要な断面を決めていくんです。その後、プログラム上のフレームモデルを各種図面へと落とし込みます。
もちろん、構造だけ先に決めるわけにはいかないので、意匠設計や設備設計とも密に連携し、調整を重ねながら詳細を詰めていきます。また、超高層建築などは技術的に非常に高度なため、構造評定というプロセスを経て大臣認定を受ける必要があります。この構造評定で指摘された不備や不明点への対応も、重要な仕事です。着工後は設計監理の立場で、現場からあがってきた図面のチェックも行います。

やりがいを感じる瞬間は?

学びを得て、成長の糧としたとき

構造設計という仕事はきわめて専門性が高く、日々学ぶことが尽きません。裏を返すと、自分の成長を感じる場面がたくさんあり、それがこの仕事の魅力でもあります。例えば、鉄筋コンクリート造の難しさのひとつに、鉄筋の納まりが挙げられます。解析プログラム上は、鉄筋の量も入れ方も、かなり自由に組むことができます。ところが、それを上司に確認してもらうと、「鉄筋はこんなにたくさん入れられないよ」と指摘を受けたりするんです。プログラムは便利ですが、完璧ではない。設計者自身が、実際に施工可能かどうかという視点を持つことの重要性を学んだ一件でした。こうした気づきが日々得られる点も、設計施工のゼネコンで働く大きなメリットです。

どんな点に仕事の難しさを感じますか?

「設計者判断」を求められること

構造設計は、人の命を守る仕事でもあります。そのため、柱はなぜこのスパンで、この断面なのかなど、理論的に説明できなければなりません。個人の感性や好みを排除した世界とも言えます。一方で難しいのは、「設計者判断」を求められること。こんな建物なら、こうすべきという指針は大前提としてありますが、その先は設計者の裁量に委ねられていることが多いんです。
免震装置ひとつをとっても、メーカー各社がさまざまな製品を提供しています。数ある選択肢の中から何を選ぶべきか。そこには決まった答えがありません。設計者が、どれを使えば今回のプロジェクトにおいて合理的かを見定めるほかないんです。2~3年目に担当した都内の高層マンションでは、実際に免震装置の選定を私の裁量で行いました。もちろん上司に相談しながら進めましたが、責任の大きな仕事に背筋が伸びました。

今後の目標について教えてください

高難度の物件を任される構造設計者

これまでに担当した物件は、北海道の25階建てマンションと東京の18階建てマンションの2棟だけですが、学びの多い濃密な時間を過ごしてきました。プレキャストなど、当社独自の技術も設計に反映し、設計手法の引き出しを増やすことができました。とはいえ、まだまだ経験値が少ないので、もっと多くの物件を担当していく必要があります。より建物規模の大きい超高層マンションのプロジェクトにも挑戦したいですし、住宅に限らず、商業施設などの異なる建築用途の建物にもフィールドを広げていきたい。そして将来的には、高難度の物件を任される構造設計者になりたいですね。

1 Day Schedule

8:30
出社、メール確認
9:00
現場からあがってきた図面のチェック
12:00
昼食
13:00
構造図の作成
15:00
プログラムを使用した構造解析
17:30
躯体断面の検討
19:00
退社

Private

休日は自然豊かな場所をぶらぶら散歩してリフレッシュしています。江戸川の河川敷や等々力渓谷など、都内の川辺がお気に入りの散歩コースです。